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サイジングの基礎知識

(1)サイジング(Sizing)の目的

 経糸糊付(Warp-Sizing)は、織物製造工程の中で極めて重要な工程です。この工程は、最高の効率で製織(Weaving)出来るよう、経糸(Warp)を準備するために計画された工程です。

 具体的には、数千本〜2万本の経糸が1本残らず均一、適切なものでなければならず、1本でも不適当な糸や切断された糸があれば完璧な織物は得られず、1本の糸切れで製織は中断され、B格品の発生を招くのです。
 従って、糊付(Sizing)の目的は製織(Weaving)中の経糸の強度が損なわれることなく順調に行われるように保護することにあります。

 製織中に糸(Yarn)は絶えずストレスにさらされています。
 また、このストレスは、a)張力、b)疲労、c)摩擦の主要素からなっています。

  1. 張力は、製織中にオサ打ち(beating)やヘルド(heald)の運動により絶えず変化しています。
  2. 疲労は、ヘルドの運動から緯糸(Weft)の挿入〜オサ打ちといった製織の繰り返しが、最新の織機では1分間に1,000回行われる事により顕著となります。
  3. 摩擦について例をあげれば、糸をそのままの状態でサイジングをしないで製織すれば、たちまち糸の表面は破壊され、毛羽立ち(Pilling)、糸は絡みあって、切れてしまいます。

 これらの製織中のストレスに対して、糸を保護すべく適切な糊剤(Size)、糊付(Sizing)の条件を選択することが必要です。

(2)糊付方法

  1. かせ糊付: 生糸、先染スパン糸等の糊付けに用いられる方法で、かせ(糸をドーナツ状に束ねたもの)をそのまま糊液に浸し、脱水、乾燥する方法です。
  2. つぼ糊付:生糸、レーヨン等の糊付に用いられ、糸を1本ずつ糊液に潜らせて糊付けする方法です。
  3. ローラータッチによる1本糊付:つぼ糊付の方法で糊付部にローラーを配置してローラーを回転させ、表面に持ち上がった糊液に糸を接触(タッチ)させて糊付けする方法です。多種の糸種で活用されています。
  4. 機械サイジング
    • [1] シリンダー乾燥方式:スパン糸に使用されます。一斉サイジング方式とビーム to ビーム方式があります。
    • [2] ホットエアー乾燥方式:フィラメント糸に使用されます。一般には、糊付け直後にホットエアー乾燥し、その後、シリンダー乾燥を行います。

 現在の糊付け機はこれらのタイプが主流であり、スパン用にはシリンダー乾燥方式のトータル式、フィラメント間用にはホットエアー乾燥方式のセクショナル式が主流です。

サイジング図版